発達障がい当事者としてのコミュニケーションについて書いてみる
はじめに
コミュニケーション Advent Calendar 2017およびADHD Advent Calendar 2017の大トリを飾らせていただきます、ヨーシャことIosif Takakuraです。
私は自閉症スペクトラム障害と注意欠陥多動性障害(ADHD)を併発している発達障がい当事者です。
現在は障がい者枠にてアパレル系企業の特例子会社1に就業中で、現在はレガシーコードやExcel方眼紙といった技術的負債と悪戦苦闘しながら働いています。
今日の話はどちらかというと技術的要素は低めかもしれません。
また、発達障がいと一言にまとめてもその実像は多種多様なので、プロジェクトに発達障がいっぽいメンバーがいるからといってこの記事が参考なるとは限りません。
よく、その人を観察して、その人に合った対応をとられることをおすすめいたします。
そういえば今日はクリスマスですね
そういえば今年もクリスマスで残り少ないですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
家族と過ごしたり、恋人と過ごしたり、友人と過ごしたり、一人で過ごしたり……
中には彼氏彼女がいないで寂しいクリスマスを送っていたり、
「リア充爆発しろ」とカップルたちに敵意を向けたりする人もいるでしょう。
そういう「非モテ」の中には、クリスマスなんて何もうれしくないという人もいるかとおもいます。
私も「非モテ」の部類に入る人かと思われますが、
クリスチャン2である私にとって、クリスマスは
「神様がこの世に人間としてやってきつつ、私たち人間に 救いの手 をさしのべてくださった」
ことを祝うという喜ばしい日なのです。
しかも、その救いの手は、「すべての人」にさしのべられているわけです。
「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」3に関わりなく。
それを自らの手で拒まない限り、救いに与れると私は思っています。
たとえ、どのような「障がい」があっても……。
……と、堅苦しい話はここまでにしておきましょう。
発達障がい当事者の側に大事なもの
さて、昨年のアドベントカレンダーに投稿した記事やコミックマーケット92で発行した評論本4で、発達障がい当事者の側から発達障がいとコミュニケーションについて述べさせていただきましたが、この中でも特に重要なことは以下のことだと思っています。
- 正直に思いを伝え、自分を偽らない
- 失敗できるうちにたくさん失敗しておけ
- 知識も人脈も視野も広げろ
- 味方を作れ
- 心身の調子を良好に保て
特に、円滑なコミュニケーションに重要なのは場数だと思います。
要するに、経験値を積もうってことな訳で。
いろいろな人としっかり話をすることが重要です。
ましてや、そのときにスマホをいじるなんて問題外です。
最悪ビール瓶で殴られます。
でも、私コミュ障だし、と思う人は少なくないと思います。
だからこそ、いろんなところに武者修行させてもらうことが大事です。
まずは近場の勉強会に顔を出すとか、趣味の集まりに出てみるとかはよい試みです。
こういう場の積み重ねが、コミュニケーション能力の下支えになります。
と、ここまでいろいろなことを述べてきましたが、ここで述べられていない重要な要素があります。
それは、 相手へのリスペクト です。
相手へのリスペクトを怠った瞬間、コミュニケーションは音を立てて崩壊するでしょう。
事実、今関わっているプロジェクト内部で口論から始まるトラブルが発生したのですが、その際の片方の態度があまりよくなかったと思われてしまったようで、お互い相手をリスペクトしていればここまで問題は大きくならなかったと思います。
相手をリスペクトするには、どんなことが必要でしょうか?
それは、相手の長所を見つけ、褒めることだと思っています。
こうやって、相手をリスペクトできる力が身につけば、コミュニケーション能力もかなりレベルが高くなると思います。
ここまでできれば、もうコミュ障と思わなくてもよいぐらいの実力がつくと思います。
発達障がい者とのコミュニケーションに重要なもの
逆に、定型発達者5の側からはどうアプローチすべきでしょうか?
たとえば、プロジェクトのメンバーに発達障がいの傾向がある場合とかが考えられますが、ここでも重要なことはやっぱりリスペクトだと思います。
相手の長所を褒め、相手を仲間として認めることが重要です。
発達障がい者の中には、かつてのコミュニケーションの失敗にとらわれやすい、コミュニケーションも消極的な人がいます。
そのような人とコミュニケーションするときは、ちゃんと「心の壁」を取り払ってあげることが大事です。
さらに、その人の長所を褒めて伸ばすことができれば、いずれは心を開いてくれるでしょう。
本人の自主性を尊重しつつ、その人にコミュニケーションの場数を積ませて挙げてください。
もちろん、よくない点はよくないと注意することも大事です。
ただし、あまり強い口調で言いすぎると拒絶されたと思い込んでしまいます。
なので、一方的に責めるのは発達障がい者とのコミュニケーションにとって、悪手になることは自明です。
問題点があるときは、相手と解決へ向かっていっしょに行動することが重要と思います。
終わりに
私もコミュニケーションではいろいろ失敗を繰り返してました。
過去にはいろいろなことがありました。
あえては書きませんが、これでコミュニケーション能力はズタボロだと思っていた節がありました。
しかし、私は仲間に恵まれて、うまく能力を出し切れたからこそ今の自分があると思っています。
恐れるなかれ。世界は広いのです。
だけど、そこでも一人じゃないのです。
コミュニケーション能力に悩む人すべてが、恵みを享受できますように。